MediaTek はモバイルプロセッサー市場での地位を強化すべく、最新の4nmチップセットを発表しました。 Dimensity 7400 および 7400X の発売は、同社の中~高級プロセッサーラインナップにおける重要な一歩となり、特に成長する折りたたみデバイス市場に向けた特別な注目を集めています。
先進的なアーキテクチャと性能
新しい Dimensity 7400 シリーズは、 TSMC の効率的な4nmプロセスで製造された MediaTek の最新モバイルプロセッシング技術を代表するものです。両チップは、2.6GHzで動作する4つの Cortex-A78 コアと2.0GHzで動作する4つの Cortex-A55 コアを備えたオクタコアCPU構成を特徴としています。 Mali-G615 MC2 GPUの統合により、電力効率を維持しながら優れたゲーミング性能を実現しています。
主要仕様:
- プロセス: TSMC 4nm
- CPU:4基の Cortex-A78 (2.6GHz) + 4基の Cortex-A55 (2.0GHz)
- GPU: Mali-G615 MC2
- メモリ: LPDDR5 (最大6400Mbps)
- ストレージ: UFS 3.1/2.2
- 5G最大ダウンロード速度:3.27Gbps
- ディスプレイ:WFHD+ (120Hz)、FHD+ (144Hz)
- カメラ:最大200MP、4K HDR (30fps)
- AI: APU 655 (15%性能向上)
- 省電力性能:ゲーミング時の消費電力を最大36%削減
強化されたメモリと接続性
MediaTek は新チップに最大6400Mbpsの LPDDR5 メモリ対応を搭載し、 LPDDR4X との下位互換性も維持しています。チップセットは UFS 3.1 ストレージをサポートし、より高速なデータアクセスとアプリの読み込み時間を実現します。接続面では、3CCキャリアアグリゲーションによる最大3.27Gbpsのダウンロード速度を実現する先進的な5G機能に加え、2T2Rアンテナ構成の Wi-Fi 6E と Bluetooth 5.4 をサポートしています。
撮影・表示機能
Imagiq 950 ISP の搭載により、最大200メガピクセルのセンサーと30fpsでの4K HDR動画記録をサポートするなど、カメラ機能が大幅に向上しました。 MiraVision 955 ディスプレイエンジンは、WFHD+で120Hz、Full HD+で144Hzのリフレッシュレートをサポートし、 Google Ultra HDR 対応により写真やビデオの優れたダイナミックレンジを実現します。
折りたたみデバイス専用サポート
Dimensity 7400X の特徴は、折りたたみデバイス向けの特別な最適化にあります。標準の7400と基本仕様を共有しながら、7400Xバリアントには、マルチスクリーン折りたたみデバイス向けに特別に設計された追加の電力管理機能と最適化が含まれており、 MediaTek の折りたたみスマートフォン市場への戦略的な注力を示しています。
AI と省電力性
アップグレードされた APU 655 は、前世代と比較してAI処理能力が15%向上しています。 UltraSave 3.0+ テクノロジーの実装により、ゲーミング時の電力消費を最大36%削減し、現代のスマートフォンにおける重要な課題であるバッテリー寿命に対応しています。
市場投入時期
これらの新プロセッサーを搭載したスマートフォンは2025年第1四半期に市場投入される予定で、従来のスマートフォンで競争力のある性能を維持しながら、折りたたみデバイス市場により手頃な選択肢をもたらす可能性があります。