AMD EPYC 4124P CPU が民生用 B650 マザーボードで 6.6 GHz にオーバークロック

BigGo Editorial Team
AMD EPYC 4124P CPU が民生用 B650 マザーボードで 6.6 GHz にオーバークロック

予想外の展開として、オーバークロッカーたちが AMD のエントリーレベルサーバープロセッサ、 EPYC 4124P を民生用ハードウェアで新たな高みに押し上げることに成功しました。この進展は、エンタープライズと民生市場の境界線を曖昧にし、 AMD の最新サーバーチップの未開拓の可能性を示しています。

コンシューマーグレードのマザーボードに搭載された AMD EPYC 4124P プロセッサの様子。予想外のオーバークロッキングの可能性を示しています。
コンシューマーグレードのマザーボードに搭載された AMD EPYC 4124P プロセッサの様子。予想外のオーバークロッキングの可能性を示しています。

予期せぬ互換性とパフォーマンス

エントリーレベルサーバー向けに設計された AMD の EPYC 4004 シリーズの一部である EPYC 4124P が、印象的な 6.6 GHz にオーバークロックされました。この成果が特に注目に値するのは、公式には EPYC プロセッサをサポートしていない民生用 B650 マザーボードを使用して達成されたことです。

オーバークロッカーの Sergmann は、通常はエンスージアスト向け Ryzen プロセッサ用のプラットフォームである Gigabyte B650E Aorus Tachyon マザーボードを使用してこの偉業を実証しました。標準のブーストクロックが 5.1 GHz の 4 コアの EPYC 4124P は、液体窒素冷却を使用して約 30% 高くクロックを引き上げられました。

障壁と記録の突破

このオーバークロッキングの成果は、単に生のクロック速度だけの話ではありません。 DDR5-8000 メモリモジュールとペアリングされた EPYC 4124P は、7-Zip ベンチマークで 4 コアプロセッサとして最高スコアを獲得しました。オーバークロッカーの SPLAVE は、4 コアプロセッサの新世界記録となる 82,943 MIPS のスコアを報告しました。

EPYC 4124P プロセッサの印象的な性能を示すベンチマーク設定で、 MIPS における新世界記録を強調しています
EPYC 4124P プロセッサの印象的な性能を示すベンチマーク設定で、 MIPS における新世界記録を強調しています

消費者とエンスージアストへの影響

EPYC 4004 シリーズは主にエンタープライズ市場を対象としていますが、これらの結果はエンスージアストや小規模ワークステーションビルダーにとって興味深い可能性を示唆しています。修正されたファームウェアを使用することで、これらのチップを民生用マザーボードで使用できる可能性は、高性能で費用対効果の高い構成への新たな道を開きます。

159 ドルの価格で提供される EPYC 4124P は、サーバーグレードの機能と民生レベルの価格のバランスが興味深いことは注目に値します。ただし、潜在的なユーザーは、これらのプロセッサを民生用ボードで使用すると公式サポートがない可能性があり、 ECC メモリサポートなどのエンタープライズ機能が利用できない可能性があることに注意する必要があります。

高性能な消費者向けアプリケーションの可能性を示す AMD EPYC 4124P CPU
高性能な消費者向けアプリケーションの可能性を示す AMD EPYC 4124P CPU

注意点と考慮事項

これらの印象的な結果にもかかわらず、液体窒素を使用した極端なオーバークロッキングが実際の使用を代表するものではないことを覚えておくことが重要です。安定性と信頼性を重視するエンタープライズユーザーは、これらのチップを標準仕様を超えて使用することはほとんどありません。

さらに、一部の B650 マザーボードが EPYC 4004 プロセッサとの互換性を示していますが、これはすべてのモデルに当てはまるわけではありません。潜在的なユーザーは、互換性を慎重に調査し、自己責任で修正されたファームウェアを使用する準備をする必要があります。

結論

民生用ハードウェアでの EPYC 4124P のオーバークロッキングは、 AMD の民生用製品とエンタープライズ製品ラインの根本的な類似性を示しています。また、エンスージアストがより手頃な価格でサーバーグレードのパフォーマンスにアクセスできる可能性も強調しています。ただし、非従来的なハードウェア使用と同様に、同様の試みを行う前には注意深い研究が推奨されます。