オープンソースのデータベース管理ツール Directus が、開発者コミュニティ内で活発な議論の的となっています。ユーザーらは、プラットフォームの技術的制限と最近のビジネスモデル変更に関する経験を共有しています。 Directus はリアルタイムAPI機能を備えたSQLデータベース管理の多用途ソリューションとして位置づけられていますが、コミュニティからのフィードバックは、本番環境における重要な課題を明らかにしています。
技術的制限
開発者の経験から、 Directus のマルチデータベースアプローチにおける複数の重要な問題が浮き彫りになっています。複数のデータベースバックエンドをサポートしようとする試みは、特に PostgreSQL ユーザーにとって機能の妥協を強いる結果となっています。ユーザーによると、 SQLite のような単純なデータベースとの互換性要件により、多くの高度な PostgreSQL 機能が使用できないとのことです。さらに、開発者は GraphQL の実装において、任意の制限や問題のあるエラー処理など、様々な課題に直面しています。
「全く異なるバックエンドをサポートしようとするデータベースUIの永遠な警告サインが、多くの問題を説明しています。 Directus が SQLite もサポートする必要があるため、多くの合理的で強力な Postgres の機能が使用できません。」
現在の料金体系:
- 無料プラン:収益/資金調達が500万米ドル未満の組織向け
- クラウドホスティング:月額500米ドル(10ユーザー、25万行、100万APIリクエスト)
- エンタープライズ自社ホスティング:カスタム価格(営業部門へお問い合わせ)
対応データベース:
- PostgreSQL
- MySQL
- SQLite
- OracleDB
- CockroachDB
- MariaDB
- MS-SQL
パフォーマンスと開発の課題
複雑な拡張機能を扱うユーザーは、 M3 Pro MacBook のような高性能なハードウェアでも、ビルド時間が最大2分に達するなど、重大なパフォーマンスの問題を報告しています。ワークフロー自動化用に設計された Flow システムは、デバッグや開発が困難であるとの批判を受けています。また、複数のユーザーが TypeScript のサポートと null 処理に関する問題を指摘しており、これらは開発効率とコードの信頼性に影響を与える可能性があります。
ライセンスの論争
大きな議論の的となっているのは、 Directus が従来のオープンソースモデルから Business Source License (BSL)1.1へ移行したことです。年間収益/資金調達が500万ドル未満の組織は無料で利用できますが、それ以上の規模の組織は商用ライセンスを取得する必要があります。この変更は特に教育機関や大規模組織に影響を与え、一部のユーザーは積極的なライセンス執行とセルフホストソリューションの価格の不透明さを報告しています。
価格変更
プラットフォームは価格体系を大幅に調整し、クラウドホスティングソリューションが月額25ドルの無制限プランから、10ユーザー、25万行、100万APIリクエストに制限された月額500ドルのプランへと変更されました。収益基準を超える組織向けのセルフホスト価格は営業部門への問い合わせが必要となり、成長中の企業にとって不確実性を生んでいます。
これらの課題にもかかわらず、一部のユーザーは特に小規模な実装やコンテンツ管理のシナリオで、 Directus での肯定的な経験を報告しています。このプラットフォームは、クリーンでシンプルなデータモデルで最も効果を発揮し、無料利用枠内で運用する組織にとっては依然として効果的なソリューションとなる可能性があります。