Intel の Nova Lake CPU テストチップが出荷記録に登場、2026年発売に向けた 18A プロセス採用を示唆

BigGo Editorial Team
Intel の Nova Lake CPU テストチップが出荷記録に登場、2026年発売に向けた 18A プロセス採用を示唆

Intel の将来のプロセッサーラインナップは進化を続けており、出荷記録から Nova Lake プロセッサーの初期テストサンプルがパートナーに配布されていることが明らかになりました。この動きは、現行の Arrow Lake が性能面での課題に直面している中、Intel が半導体業界での競争力を維持しようとしている重要な時期に起こっています。

テストフェーズの開始

12月9日付けの出荷書類によると、NVL と表記され、FOC(無償)サンプルとして分類された Nova Lake のテストチップの移動が確認されました。これらのプロセッサーは検証および研究目的で使用され、Arrow Lake に続く次世代のデスクトップCPUとして2026-2027年の発売が予定されています。

想定タイムライン:

  • テストサンプルの配布:2024年12月開始
  • 予定発売時期:2026年-2027年
  • 製造プロセス: Intel 18A(主に自社生産)

アーキテクチャと製造の詳細

Nova Lake は、Coyote Cove P-コア(以前は Panther Cove として知られていた)と Arctic Wolf E-コアを搭載する予定です。前 Intel CEO の Pat Gelsinger は、Nova Lake チップの大部分が自社工場で製造され、最新の 18A プロセスノードを使用する可能性が高いことを確認しています。これは、TSMC の製造能力に大きく依存している現行の Arrow Lake 戦略からの重要な転換を示しています。

主要な技術的特徴:

  • CPU コア: Coyote Cove (P コア)、 Arctic Wolf (E コア)
  • メモリコントローラー:最適化を施した独立ダイ
  • 新型ソケット: LGA 1851 の後継
  • 製造:主に Intel 18A プロセスを用いた自社製造

メモリコントローラーアーキテクチャ

Nova Lake の設計における重要なポイントは、メモリコントローラーの実装にあります。現行の Arrow Lake プロセッサーはダイ外メモリコントローラーによるL3アクセスレイテンシーの増加に悩まされていますが、Nova Lake ではこれらのパフォーマンスのボトルネックに対する最適化が期待されています。これは、Lunar Lake でのCPUタイル内へのメモリコントローラー統合の成功を受けたものです。

プラットフォームとソケットの変更

Nova Lake は新しいソケットプラットフォームを必要とし、現行の LGA 1851 は Intel の中で最も短命なソケットの一つとなる可能性があります。このアーキテクチャの変更は Intel の積極的な開発戦略に沿ったものですが、現行世代ユーザーのアップグレードパスに影響を与える可能性があります。

将来の技術

Intel は、AMD の V-Cache に対抗するため、サーバー向けの Clearwater Forest チップ用に Local Cache 技術を開発しています。この技術は当初エンタープライズソリューション向けですが、最終的には消費者向け製品にも採用される可能性があり、将来のデスクトッププロセッサー世代に大きな性能向上をもたらす可能性があります。