Intel の次世代プロセッサアーキテクチャ Panther Lake が CES 2025 で初めて公開され、同社の意欲的な 18A プロセスノード技術における重要な節目となりました。この開発は、半導体業界での競争力を取り戻すための Intel の戦略的な取り組みを示すもので、主要パートナーへのサンプル提供も既に開始されています。
初期プレビューが期待を示す
Intel は CES 2025 で6台の動作する Panther Lake システムを公開し、初期段階ながら有望な性能を示しました。デモ機は12コアCPUと次世代 Celestial Xe GPUコアを搭載し、CPUとGPUの統合的な開発アプローチを示しています。これらのシステムはA0シリコン(チップの初期リビジョン)で動作していますが、最大24時間の連続運転を達成する安定性を示しています。
デモシステムの仕様:
- CPU: 12コア Panther Lake
- GPU: 12 Xe コア Celestial アーキテクチャ
- RAM:32GB
- GPU/NPU 共有メモリ:18GB
- プロセスノード: Intel 18A(1.8nm)
Intel が CES 2025 のプレゼンテーションで Panther Lake テクノロジーを披露 |
技術仕様とアーキテクチャ
デモシステムには、Xe3(Celestial)アーキテクチャに基づく12個の Xe コア内蔵GPUが搭載され、GPUと18GBのメモリを共有するNPUが組み込まれています。すべてのデモ機は32GBのRAMを搭載していますが、初期段階のグラフィックスドライバーの制限により、現時点での機能は限定的です。システムは NUC 形状のデザインや、台湾の主要ODMメーカーによるノートPCなど、様々な形態で展示されています。
テスト用の Panther Lake 開発キットのクローズアップビューで、そのデザインと機能性を強調しています |
製造戦略と市場への影響
Panther Lake は Intel の18Aプロセスノード(1.8nm)にとって重要なテストケースとなり、生産の70%を自社製造で行う計画です。この戦略は TSMC の2nmおよび3nmノードと競争しながら、利益率の向上を目指すものです。このプロセッサファミリーは主にノートブック向けに設計され、モバイルコンピューティング市場の将来需要に向けた Intel のポジショニングを示しています。
製造の詳細:
- 自社生産比率:70%
- 競合ターゲット: TSMC の2nmおよび3nmプロセスノード
発売時期と業界への影響
Intel は Panther Lake の量産を2025年後半に開始し、市場投入を2026年初頭に予定していることを確認しました。前世代の Lunar Lake とは異なり、Panther Lake はパッケージ上のDRAMを使用しないため、システムベンダーにとってより魅力的となり、さまざまな価格帯での幅広い市場採用が期待されます。
開発タイムライン:
- 現状: A0 シリコンのサンプリング段階
- 量産開始:2025年後半
- 市場投入:2026年前半
将来の展望
Panther Lake と18Aプロセスノードの成功は、特に外部顧客向けの Intel Foundry の野心にとって極めて重要です。現在のデモでは機能が限定的ですが、主要顧客への早期サンプル提供と動作デモ機の展示は、この重要な製品発売に向けた開発スケジュールが予定通り進んでいることを示唆しています。