AMD が歴史的快挙:第3四半期のデータセンター収益35億ドルで Intel を上回る

BigGo Editorial Team
AMD が歴史的快挙:第3四半期のデータセンター収益35億ドルで Intel を上回る

データセンタープロセッサー市場において歴史的な転換点となる出来事が起きました。長年 Intel の Xeon プロセッサーが支配してきた業界で、AMD が初めて四半期のデータセンター収益で Intel を上回るという重要な節目を達成しました。

市場動向と収益比較

AMD のデータセンター部門は2024年第3四半期に35億4,900万ドルの収益を計上し、同期間の Intel のデータセンターおよびAIグループの33億ドルを上回りました。わずか7~8年前にはシングルディジットのシェアしか持っていなかった AMD にとって、この成果は特筆すべきものです。一方、2年前には四半期ごとに50~60億ドルを生み出していた Intel の DCAI グループにとっては、大きな後退を示しています。

価格戦略と市場ポジション

競争環境は戦略的な価格設定によってさらに形作られています。Intel のフラッグシップモデルである128コアの Xeon 6980P 「Granite Rapids」プロセッサーは17,800ドルで、同社の標準CPUとしては過去最高額となっています。対照的に、AMD の最上位モデルである96コアの EPYC 6979P は11,805ドルとより競争力のある価格設定となっています。この価格戦略と AMD の EPYC プロセッサーの性能優位性により、Intel はサーバーチップの大幅な値引きを余儀なくされ、収益と利益率に影響を与えています。

データセンター市場において Intel の Xeon シリーズと競合する主要プレイヤーである AMD EPYC プロセッサー
データセンター市場において Intel の Xeon シリーズと競合する主要プレイヤーである AMD EPYC プロセッサー

業界の状況と将来展望

AMD と Intel がデータセンターCPUの覇権を争う一方で、Nvidia はAIとGPU技術を中心とした広義のデータセンター分野で圧倒的な優位性を保っています。Nvidia のデータセンターGPUとネットワーキングチップの売上は両社を大きく上回り、2025年度第2四半期のネットワーク製品だけでも36億6,800万ドルを記録。同四半期のコンピューティングGPU販売は226億400万ドルという天文学的な数字に達しています。

戦略的意義

Intel の現在の立場は必ずしも固定的なものではなく、同社は Granite Rapids プロセッサーの展開を進めている最中です。需要が堅調を維持し、生産が順調に拡大すれば、Intel は首位の座を取り戻す可能性もあります。しかし、AMD の今回の成果はデータセンター市場のダイナミクスにおける根本的な変化を示すものであり、この分野の競争がかつてないほど活発になっていることを実証しています。