中国のテクノロジー大手 Huawei が、Android や Linux カーネルのコードを一切使用しない初めての独自OSとなる HarmonyOS NEXT を発表し、技術的な完全独立を果たしました。
独自アーキテクチャによる新たなスタート
HarmonyOS NEXT は、従来の Android オープンソースプロジェクト(AOSP)ベースから完全に脱却しました。新OSには以下の特徴があります:
- OpenHarmony をベースとした自社開発のマイクロカーネル
- セキュリティ強化のための独自 Star Shield アーキテクチャ
- 独自の Huawei Ark コンパイラ
- Huawei モバイルサービス(HMS)との統合
パフォーマンスの向上と新機能
新しいオペレーティングシステムは、以下の顕著な改善をもたらします:
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システムパフォーマンス
- デバイスの動作が30%向上
- 消費電力が20%削減
- アプリの起動速度が向上
- ファイル共有の改善( Huawei Share 2.0 で1.2GBを8秒で転送)
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ユーザーインターフェース
- 刷新されたビジュアルデザイン
- 新しいロック画面カスタマイズオプション
- 再設計されたコントロールセンター
- アニメーションシステムの強化
AI統合とエコシステム
HarmonyOS NEXT には以下が搭載されています:
- Pangu 大規模言語モデルによるシステムレベルのAI
- クラウドベースの相互接続性
- 15,000以上のネイティブアプリとサービスをサポート
- マルチデバイス対応(スマートフォン、ウェアラブル、スマートホーム機器、車載システム)
現在の提供状況
中国でパブリックベータ版の展開が開始され、以下の機種に対応:
- Pura 70 シリーズ
- Huawei Pocket 2
- MatePad Pro 11(2024)
初回リリースは中国市場に焦点を当てていますが、 Huawei は将来的なグローバル展開を確認しています。これは、米国の貿易制限に対応して、完全に独立したエコシステムを構築する Huawei の戦略における重要な一歩となります。