最近のリーク情報によると、Qualcomm は Snapdragon X シリーズをより手頃な価格のオプションで拡大する準備を進めています。コードネーム X1P-42-100 の新しい Snapdragon X Plus チップは、AIを活用した Windows 体験をより広い層に、より低価格で提供することを目指しています。しかし、初期のベンチマークではグラフィックス性能に大きな妥協点があることが示唆されています。
主な仕様
- 8コア Oryon CPU(4nmプロセス)
- 2つのCPUクラスター:3.24 GHzと3.42 GHz
- 合計30 MBのキャッシュ
- 内蔵 Adreno X1-45 GPU(280 MHz、1.7 TFLOPs)
- AI加速用45 TOPS NPU
- LPDDR5X-8448 メモリサポート
- 5GとWi-Fi 7接続
性能プレビュー
初期のベンチマークは、新チップの性能について複雑な結果を示しています:
- CPU性能:Cinebench 2024のスコアでは、10コアの Snapdragon X Plus と比較してシングルコア性能は5%の低下にとどまりましたが、マルチコアタスクでは20%の低下が見られました。
- GPU性能:Adreno X1-45 GPUは、上位モデルと比べて大幅に弱く、3DMark Time Spyのスコアは Snapdragon X Elite と比較して約40-50%低くなっています。
- ゲーミング:Shadow of the Tomb Raider は1080p低設定で18 FPSしか出せず、X Elite の33 FPSと比べて劣っています。
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Snapdragon X Plus のゲームおよびグラフィックタスクにおけるパフォーマンスを示すベンチマーク結果 |
AIを優先し、グラフィックスを犠牲に
Qualcomm は、GPU性能を抑えつつ、強力なAI性能を維持する戦略的決定を下したようです。このチップは依然として45 TOPS NPUを搭載しており、Microsoft の Copilot+ のAI強化 Windows 機能の要件を満たすことを目指しています。
価格と発売時期
- このチップを搭載したラップトップは、現行の Snapdragon X デバイスよりやや安い800ドル前後から始まる見込みです。
- 正式発表は、近日開催予定の IFA 見本市で行われると予想されています。
市場展望
Snapdragon X Plus X1P-42-100 は、Qualcomm の最新アーキテクチャをより手頃な価格帯にもたらしますが、限られたグラフィックス性能が課題となる可能性があります。Intel と AMD が今後数ヶ月で新しいラップトップ向けチップを準備する中、Qualcomm は競争の激しい Windows PC 市場で際立つために、AI重視のアプローチの価値提案を明確に示す必要があるでしょう。