中国のPCおよびタブレット市場は2025年第1四半期に堅調な成長を示し、主に政府の補助金プログラムが消費者の古いデバイスのアップグレードを促進したことが要因となった。 Canalys の新しい調査によると、この成長は競争力学の変化を明らかにしており、既存のリーダー企業が新興ブランドからの予想外の挑戦に直面している。
政府インセンティブが市場成長を牽引
中国のPC市場は2025年第1四半期に前年同期比12%の堅実な成長を遂げ、出荷台数は890万台に達した。タブレット部門はさらに好調で、19%上昇して870万台となった。中国政府の補助金プログラムがこの拡大を促進する上で重要な役割を果たし、特にノートブック部門は2024年同期と比較して20%という驚異的な伸びを見せた。しかし、商用部門は複雑な結果を示し、大企業の購入は横ばいにとどまった一方で、中小企業は約3年間の減少を経て2%の控えめな回復を示した。
市場成長概要 2025年第1四半期
- PC市場: 890万台(前年同期比+12%)
- タブレット市場: 870万台(前年同期比+19%)
- ノートブックセグメント: 前年同期比+20%(政府補助金により促進)
- 商用PC: 大企業は横ばい成長、中小企業は+2%
- 2025年予測: PC市場は横ばい、タブレット市場は+5%
- 2026年予測: PC市場は+6%、タブレット市場は-8%
Lenovo は出荷台数減少にもかかわらずリーダーシップを維持
30%という圧倒的な市場シェアで中国トップのPCベンダーとしての地位を維持しているにもかかわらず、 Lenovo は2025年第1四半期に逆風に直面した。同社は263万台を出荷し、前年比3%の減少となった。この下落は市場全体の成長を背景に起こったもので、競争圧力が激化していることを示唆している。業界アナリストは Lenovo の苦戦の多くを、特に人民元5,000-6,000元の価格帯における中級ゲーミングノートパソコン部門での競争激化に起因するとしている。
Mechanical Revolution の急激な成長がゲーミング市場を再構築
この四半期で最も劇的な話は iSoftStone に属し、同社のPC出荷台数は前年同期比111%急増して89万台に達し、10%の市場シェアを獲得した。この爆発的な成長は主に、政府補助金と競争力のある価格設定をうまく活用した iSoftStone のゲーミング特化ブランド Mechanical Revolution によって牽引された。中級ゲーミング部門でのこのブランドの成功は、 Lenovo の従来の牙城に直接的な影響を与えているようで、既存のリーダーは対応として新しい価値志向の Lecoo Fighter ゲーミングブランドを立ち上げるに至った。
Huawei と Apple が強い勢いを示す
Huawei はPC市場で104万台を出荷し、12%の市場シェアで2位を確保し、8%の健全な成長を記録した。 Apple は主要ベンダーの中で最も強い成長を示し、43%急増して68万台に達し、8%の市場シェアを獲得した。 HP は64万台でトップ5を締めくくったが、同社は7%の出荷台数減少を経験した。
2025年第1四半期 中国 PC 市場シェアと業績
ベンダー | 出荷台数 | 市場シェア | 前年同期比成長率 |
---|---|---|---|
Lenovo | 263万台 | 30% | -3% |
Huawei | 104万台 | 12% | +8% |
iSoftStone | 89万台 | 10% | +111% |
Apple | 68万台 | 8% | +43% |
HP | 64万台 | 7% | -7% |
タブレット市場では Huawei と Apple の激しい競争
タブレット部門では、市場リーダーシップを巡る Huawei と Apple の接戦が展開された。 Huawei は230万台を出荷して26%の市場シェアでわずかに先行し、 Apple の210万台・24%シェアを上回った。両社とも7%の控えめな成長率を記録した。 Xiaomi がこの部門の成長チャンピオンとして浮上し、57%という驚異的な増加を達成して140万台に達し、16%の市場シェアを獲得した。 Honor も41%の成長で好調なパフォーマンスを示し、90万台を出荷して10%の市場シェアを獲得した。 Lenovo はタブレットで大きく苦戦し、出荷台数が23%急落してわずか50万台となり、同社は6%の市場シェアで5位に後退した。
2025年第1四半期 中国タブレット市場シェアとパフォーマンス
ベンダー | 出荷台数 | 市場シェア | 前年同期比成長率 |
---|---|---|---|
Huawei | 230万台 | 26% | +7% |
Apple | 210万台 | 24% | +7% |
Xiaomi | 140万台 | 16% | +57% |
Honor | 90万台 | 10% | +41% |
Lenovo | 50万台 | 6% | -23% |
市場見通しは慎重な楽観論を示唆
今後を見据えて、 Canalys は両部門でより控えめな成長軌道を予測している。PC市場は2025年の残り期間は比較的横ばいにとどまると予想され、2026年には6%の控えめな成長が見込まれている。タブレット市場は複雑な見通しに直面しており、今年は5%の成長が予測される一方で、2026年には8%の縮小が見込まれている。これらの予測は、政府補助金主導のブームが一時的なものである可能性を示唆しており、ベンダーは価格インセンティブを超えた持続可能な競争戦略の開発が求められている。