Lenovo は携帯型ゲーミングPCの新モデルとして、一体型コントローラーデザインとコンパクトなフォームファクターを特徴とする Legion Go S を発表しました。前モデルの人間工学的な課題に対処した一方で、性能と機能面での妥協点が競争の激しい携帯型ゲーミング市場における価値提案に影響を与える可能性があります。
デザインと品質
Legion Go S は、前モデルの着脱式から一体型コントローラーデザインへと変更されました。新デザインにより重量は730グラムまで軽量化され、テクスチャー加工されたグリップと快適な曲線形状により人間工学的にも改善されています。ただし、オールプラスチック製の筐体は堅牢ではあるものの、前モデルのアルミニウムとプラスチックのハイブリッド構造と比べると高級感は劣ります。
主な仕様:
- ディスプレイ: 8インチ 1920 x 1200 IPS 、120Hz
- プロセッサー: AMD Ryzen Z2 Go
- メモリ:32GB
- ストレージ:1TB M.2 SSD ( 2242 または 2280 対応)
- 重量:730グラム(1.61ポンド)
- 寸法:299 x 127.5 x 22.6 ミリメートル(11.77 x 5.02 x 0.89 インチ)
![]() |
---|
コンパクトで軽量な人間工学的デザインを示す、別のゲーム機と並んだ Lenovo Legion Go S の様子 |
ディスプレイと性能
8インチ1920×1200 IPSディスプレイを採用し、前モデルの8.8インチ2560×1600パネルからサイズダウンしています。解像度は低下したものの、小型化されたスクリーンは良好な画質と色再現性を維持しています。システムは AMD Ryzen Z2 Go チップセットを搭載していますが、最大出力時に特に前モデルの Z1 Extreme と比べて性能面での制限が見られます。
ゲーミング体験
ゲーミング性能は電力設定とゲームの要求に大きく左右されます。 Legion Go S は800p解像度で設定を下げれば、ほとんどの最新ゲームを動作させることができますが、より要求の高いタイトルを高解像度で実行すると苦戦します。調整可能なトリガー機構とナビゲーション用の小型タッチパッドを備えていますが、後者は実際の使用では少し扱いづらい面があります。
性能比較:
- バッテリー駆動時のゲーミング性能:オリジナルの Legion Go と比べて約10%高速
- 電源接続時のゲーミング性能:オリジナルの Legion Go と比べて10-20%低速
- バッテリー持続時間:ゲーミング時約2時間、一般使用時約7時間
バッテリー寿命と熱管理
バッテリー寿命は依然として大きな課題で、ゲームプレイ時間は1回の充電で約2時間です。ただし、再設計された冷却システムは熱を効果的に管理し、長時間のゲームプレイ中も快適な温度を保ちますが、高負荷時にはファンノイズが目立つようになります。
価格と価値提案
32GBのRAMと1TBのSSDを搭載した Windows 版の価格は729.99ドルで、前モデルとわずか20ドルの価格差しかないことを考えると、性能面での制限を考慮すると厳しい競争に直面しています。より手頃な499ドルの SteamOS 版が2025年春に予定されており、予算を重視するゲーマーにとってはより魅力的な選択肢となる可能性があります。
価格体系:
- Windows バージョン:729.99米ドル(32GB RAM、1TB SSD)
- 近日発売予定の SteamOS バージョン:499米ドル(16GB RAM、512GB SSD)
最終評価
Legion Go S はより携帯性に優れたフォームファクターと改善された人間工学的設計を実現していますが、性能面での妥協と価格設定により、現在の携帯型ゲーミング市場において前モデルや競合製品よりも推奨しづらい状況です。今後登場予定の SteamOS 版は、主に Steam でのゲームプレイを目的とするユーザーにとって、より魅力的な選択肢となるかもしれません。
![]() |
---|
携帯ゲーム機市場における Lenovo Legion Go S の携帯性とデザインの欠点を強調した、他の携帯ゲーム機との視覚的な比較 |