Asus Zenfone 12 Ultra レビュー:限られたソフトウェアサポートに足を引っ張られる優れたハードウェア

BigGo Editorial Team
Asus Zenfone 12 Ultra レビュー:限られたソフトウェアサポートに足を引っ張られる優れたハードウェア

2025年のスマートフォン市場は、メーカーごとに消費者の注目を集めるための異なるアプローチを取りながら進化を続けています。 Asus は最近、ゲーミング向けの ROG Phone 9 Pro と基本的なハードウェアを共有しながら、異なる市場セグメントをターゲットにした Zenfone 12 Ultra を発表しました。

ハードウェアの卓越性とデザイン哲学

Zenfone 12 Ultra は、最新の Qualcomm Snapdragon 8 Elite チップセットに16GBのRAMと512GBのストレージを組み合わせた、 Asus のプレミアムハードウェアへの取り組みを示しています。6.78インチディスプレイは144Hzのリフレッシュレートを備え、 ROG シリーズよりもやや低めですが、日常使用には十分な性能です。カメラシステムは50メガピクセルのメインセンサーに加え、32メガピクセルの望遠レンズと13メガピクセルの超広角レンズを搭載しています。

主要スペック:

  • ディスプレイ:6.78インチ、144Hz リフレッシュレート
  • プロセッサー: Snapdragon 8 Elite
  • RAM:16GB
  • ストレージ:512GB
  • バッテリー:5,500mAh
  • メインカメラ:50MP
  • 望遠カメラ:32MP
  • 超広角カメラ:13MP
  • ソフトウェアサポート:OSアップデート2年間

ソフトウェアとAIの統合

Asus は、最新のAI機能を取り入れながら、クリーンな Android 実装の評価を維持しています。Magic Fill や Unblur 機能を含む写真編集用の高度なAI機能に加え、AIパンニングやポートレートビデオ機能を搭載。インターフェースは広範なカスタマイズオプションを提供し、必要最小限のソーシャルメディアアプリのみがプリインストールされた、ブロートウェアの少ない環境を実現しています。

ツインストラテジーのジレンマ

Asus が、ほぼ同一の2つの端末で異なる市場ポジショニングを目指すアプローチには、機会と課題の両方が存在します。 Zenfone 12 Ultra は、希少な3.5mmヘッドフォンジャックを含む多くのプレミアム機能を ROG Phone 9 Pro と共有しながら、より洗練されたデザインと、 Airtrigger ボタンのようなゲーミング特化機能の省略により差別化を図っています。

ROG Phone 9 Pro との主な機能比較:

  • プロセッサーとメモリは同等
  • リフレッシュレートが低い(144Hz 対 185Hz)
  • バッテリー容量が小さい(5,500 mAh 対 5,800 mAh)
  • ゲーミング特化機能なし( Airtrigger ボタン)
  • 重量が軽い(7g の差)

重大な欠点

印象的なハードウェア仕様とクリーンなソフトウェア実装にもかかわらず、 Zenfone 12 Ultra は現在の市場で重大な課題に直面しています。競合他社が最大7年のサポートを提供する中、 Asus の Android アップデート2年間という限定的なサポート期間は、プレミアム価格と相まって、デバイスの長期的な価値提案に疑問を投げかけています。

市場への影響と将来の展望

限定的な地域展開と控えめなアップデートポリシーにより、最近の調査では潜在的な購入者のわずか4%しか本機種に興味を示していないことが明らかになっています。これは、 Asus が技術的に優れたデバイスを作り出しているものの、プレミアムスマートフォン市場で効果的に競争するためには、市場戦略の見直しが必要かもしれないことを示唆しています。