スマートフォン業界におけるオンデバイスAI機能の統合は進化を続けており、OnePlus は OnePlus 13 の最新ソフトウェアアップデートを通じて大きな進展を遂げています。このアップデートは、プライバシーを維持しながらクラウド処理への依存を減らし、高度なAI機能をユーザーのデバイスに直接提供する上で重要な一歩となっています。
Gemini Nano の統合
OnePlus 13 の初めての主要ソフトウェアアップデート(バージョン CPH2655_15.0.0.402(EX01))では、Google の Gemini Nano AIモデルのサポートが導入されました。この統合により、Google メッセージの Magic Compose などのAI機能をローカルで処理することが可能になりました。この実装により、ユーザーデータがデバイス内に保持され、会話の文脈に基づいたAIによる提案を提供しながらプライバシーが強化されます。
アップデートバージョン: CPH2655_15.0.0.402(EX01)
高度なAI機能
OnePlus 13 における Gemini Nano の実装は、競合他社と比べてより高度なものとなっています。Android AICore アプリのインストールサイズが約3.8GBと、Galaxy Z Fold 6 の1.3GBと比較して大きいことから、より高度なマルチモーダルバージョンの Gemini Nano が搭載されていることが示唆されています。この大きなフットプリントは、将来のアップデートでAI機能が拡張される可能性を示していますが、現在の機能は限定的です。
AICore アプリのサイズ比較: OnePlus 13 では3.8GB、 Galaxy Z Fold 6 では1.3GB
カメラ機能の強化
このアップデートでは、Hasselblad やマスターズシグネチャーオプションを含む新しいウォーターマークスタイルの導入など、カメラシステムに大幅な改善がもたらされました。ポートレートモードと写真モードでの明瞭度向上、60fpsでの4K動画録画の改善、メインカメラと望遠レンズの両方での色彩性能の向上が見られます。また、写真モードでの露出オーバーの問題も修正されています。
主な追加機能:
- Gemini Nano AI のサポート
- 新しいカメラウォーターマークスタイル
- iOS デバイスとのタッチシェア機能
- 4K 60fps ビデオ録画の機能強化
- 2024年12月のセキュリティパッチ
OnePlus 13 の進化したカメラ機能を紹介し、強化された機能やスタイルを特徴としています |
システムと接続性の改善
OnePlus は、Wi-Fi経由のIPv6接続の改善、Bluetoothの安定性向上、音質の向上など、システム全体にわたる改善を実施しました。また、iOSデバイスをサポートする新しいタッチシェア機能が導入され、クロスプラットフォームでのファイル共有がよりスムーズになりました。2024年12月のセキュリティパッチも含まれ、システムセキュリティが強化されています。
将来の可能性
現在の Gemini Nano の実装は主に Magic Compose 機能に焦点を当てていますが、拡張機能のための基盤が整えられています。AI Edge SDKが開発者にとってよりアクセスしやすくなるにつれ、OnePlus 13 の実装におけるマルチモーダル機能を活用した追加機能が登場し、Pixel デバイスで利用可能な機能に匹敵または凌駕する可能性があります。