MSI は、背面コネクタを採用した最新の Project Zero マザーボードで、クリーンなPC構築をより身近なものにしています。定評のある Tomahawk シリーズを通じて、プレミアムなケーブル管理機能をより一般的な価格帯で提供する、市場における重要な転換点となっています。
メインストリームへの Project Zero 展開
MSI が Tomahawk シリーズに Project Zero 機能を導入したことは、クリーンなPC構築を大衆化する戦略的な動きを示しています。MAG Z890 Tomahawk WiFi PZ とそのホワイトバリアントは、シリーズの信頼性を維持しながら、これまでプレミアムマザーボードに限定されていた革新的な背面コネクタデザインを採用しています。
技術仕様と特徴
新しい Z890 Tomahawk PZ ボードは、Intel の最上位 Core Ultra 9 285K プロセッサーに対応可能な19個のパワーステージを備えた16+1+1+1 VRM構成を採用しています。DDR5メモリーは最大9200MHzまでのオーバークロックに対応し、デュアル Thunderbolt 4 ポート、Intel Wi-Fi 7、5ギガビットイーサネットなど、包括的な接続オプションを提供します。
MAG Z890 Tomahawk WiFi PZ の技術仕様:
- VRM構成:16+1+1+1(19パワーステージ)
- メモリー対応:DDR5 最大9200MHz
- PCIe構成:
- PCIe 5.0 x16(GPU用)×1
- PCIe 5.0 M.2 ×1
- PCIe 4.0 M.2 ×2
- 接続性:
- Thunderbolt 4 ポート×2
- Intel Wi-Fi 7
- 5ギガビットイーサネット
高度な仕様と洗練されたデザインを特徴とする MSI MAG Z890 TOMAHAWK WIFI マザーボード |
Pro シリーズの選択肢
Tomahawk モデルと並行して、MSI は Pro Z890-S WiFi PZ も発表しました。特徴的なシルバーPCBと拡張されたシュラウドで美しさを向上させています。12+1+1+1 VRM構成とやや控えめなスペックながら、グラフィックスとストレージの両方でPCIe 5.0をサポートするなど、TDPの低いプロセッサーを使用するミッドレンジビルドに適しています。
Pro Z890-S WiFi PZ の技術仕様:
- VRM 構成:12+1+1+1
- PCIe 構成:Tomahawk と同様
- 接続性:
- Thunderbolt 4 ポート×1
- Intel Wi-Fi 7
- 2.5 ギガビットイーサネット
市場での位置づけと価値提案
価格詳細は未発表ですが、MSI の戦略から、これらのボードは従来のマザーボードに対して競争力のある価格設定となり、Project Zero 機能による価格上乗せも最小限に抑えられると予想されます。これにより、コスト面で手が届かなかった多くのPCビルダーにもプレミアムなケーブル管理機能が利用可能になります。
実用面での考慮事項
これらのマザーボードはクリーンなビルドを約束しますが、購入を検討する際は、既存のケースとの互換性が限られる可能性があることに注意が必要です。背面コネクタ対応のケースへの追加投資が必要になる可能性がありますが、クリーンなケーブル管理による冷却効果の向上は、多くのビルダーにとってその追加費用を正当化できるでしょう。