Qualcomm は Windows PC 市場での存在感を高めるため、新しい Snapdragon X シリーズプロセッサーとミニデスクトップPCを発表しました。これは同社の戦略における重要な転換点となり、ARM ベースのコンピューティングをデスクトップ形態へと拡大し、さらにノートPC分野でより手頃な価格帯を狙うものです。
Qualcomm の Snapdragon X シリーズ: Windows PC 市場における ARM ベースコンピューティングの先駆け |
新型ミニPC製品
Lenovo が Snapdragon X 搭載の2種類のミニデスクトップPCで先陣を切ります。消費者向けの IdeaCentre Mini x と、ビジネス向けの ThinkCentre Neo 50q QC は、どちらもコンパクトな1リットルデザインを採用しています。IdeaCentre Mini x は2025年4月に発売予定で、価格は659.99米ドルから。最大32GBのRAMと1TBのNVMeストレージをサポートします。ThinkCentre Neo 50q QC は来月849米ドルで発売予定で、最大16GBのRAMとデュアルSSDをサポートし、ビジネスユーザー向けに強化された接続オプションを提供します。
モデル | 価格 | RAM | ストレージ | 発売日 |
---|---|---|---|---|
IdeaCentre Mini x | 659.99ドル | 最大32GB | 最大1TB NVMe | 2025年4月 |
ThinkCentre Neo 50q QC | 849ドル | 最大16GB | デュアルSSDサポート | 2025年2月 |
Qualcomm Oryon CPU:Lenovo の革新的なミニデスクトップPCの心臓部 |
エントリーレベルの Snapdragon X プロセッサー
Qualcomm の新製品である Snapdragon X(モデル X1-26-100)は、ARMベースの Windows コンピューティングの大衆化を目指しています。このプロセッサーは600米ドル程度のノートPCをターゲットとしながら、AI加速や効率的なパフォーマンスなどの主要機能を維持しています。3GHzで動作する8コアCPUと45 TOPSのAIパフォーマンスを実現するNPUを搭載し、一般ユーザーにとって魅力的な選択肢となっています。
Snapdragon X ( X1-26-100 )の仕様:
- CPU:8コア、最大クロック速度3GHz
- GPU:1.7テラフロップス
- NPU:45 TOPS のAI性能
- メモリ: LPDDR5X 対応
- ディスプレイ:4K/60Hz外部ディスプレイ3台まで対応
- 接続性: Wi-Fi 7 、 Bluetooth 5.4 、オプションで 5G 対応
パフォーマンスと機能
新しい Snapdragon X プロセッサーは、X Plus シリーズと比べてやや性能は控えめですが、それでも印象的な仕様を誇ります。1.7テラフロップスのGPU、AV1コーデックのサポート、Wi-Fi 7やオプションの5Gサポートなどの先進的な接続機能を備えています。上位モデルの X Plus 8コア版の初期ベンチマークでは、CPU処理において Apple の M2 MacBook と競争力のある性能を示していますが、GPU性能については課題が残されています。
将来を見据えた機能
これらの新製品は、AI機能と電力効率を重視しています。プロセッサーは Windows 11 on ARM をサポートし、Microsoft の Copilot Plus 認定を受けており、高いAIパフォーマンスの可能性を示しています。プラットフォームの効率性は特筆すべきもので、Qualcomm はノートPC実装において通常の使用で最大3日間のバッテリー駆動を実現できると主張しています。
市場投入
Lenovo と Dell が新しい Snapdragon X プロセッサーを搭載したノートPCの初期パートナーとして確認されており、2025年初頭に製品が市場に投入される予定です。デスクトップと手頃な価格帯のノートPC分野への今回の展開は、Qualcomm による Windows PC 市場への最も包括的な進出を示すものとなっています。