Intel Arc B580 GPU、2019年以前のCPUで大幅な性能低下が判明

BigGo Editorial Team
Intel Arc B580 GPU、2019年以前のCPUで大幅な性能低下が判明

2024年の年末商戦で予算向けGPU市場に大きな波紋を投げかけた Intel Arc B580 が、予期せぬ互換性の課題に直面しています。最近の検証により、古いCPUアーキテクチャとの組み合わせで大幅な性能低下が発生することが明らかになり、様々なシステム構成での汎用性に懸念が生じています。

性能の格差

Arc B580 の性能は、組み合わせるCPUの世代によって大きく異なることが判明しました。AMD Ryzen 7 9800X3D のような最新のプロセッサーとの組み合わせでは、優れた価値と性能を発揮します。しかし、Intel Core i5-9600K や AMD Ryzen 5 2600X など5年以上前のCPUとの組み合わせでは、多くの人気ゲームで著しい性能低下が確認されています。

パフォーマンスへの影響例:

  • Spider-Man Remastered :154.7 fps → 74.9 fps
  • Warhammer 40K: Space Marine 2 :74.3 fps → 52.5 fps

影響を受けるCPUの例:

  • Intel Core i5-9600K (2018年)
  • AMD Ryzen 5 2600X

具体的なゲームへの影響

Hardware Canucks と Hardware Unboxed による検証では、特定のタイトルで深刻な性能低下が示されました。Spider-Man Remastered では、古いCPUを使用した場合、フレームレートが154.7 fpsから74.9 fpsに低下し、6年前の GTX 1660 Super よりも性能が下回りました。Warhammer 40K: Space Marine 2 でも同様の問題が見られ、フレームレートが74.3 fpsから52.5 fpsに低下しています。Starfield や Hogwarts: Legacy でも顕著な性能低下が確認されています。

影響を受けていないゲーム:

  • Cyberpunk 2077
  • Black Myth Wukong
  • Call of Duty: Black Ops 6
  • Alan Wake 2
  • Doom Eternal
  • Horizon: Forbidden West
ゲームのパフォーマンス評価に影響を与えるグローバルグラフィック設定を示すインターフェースのスクリーンショット
ゲームのパフォーマンス評価に影響を与えるグローバルグラフィック設定を示すインターフェースのスクリーンショット

技術的分析

この問題は従来のCPUボトルネックとは異なるようです。性能低下時にCPU使用率が実際に減少することから、ハードウェアの制限ではなく Intel のグラフィックスドライバーに問題があると考えられます。Arc GPUには Resizable BAR(ReBAR)と Smart Access Memory(SAM)のサポートが必要とされていますが、テストシステムではこれらの機能が有効化されていたため、他の根本的な問題が存在すると考えられます。

現状と今後の展望

Intel は問題を認識し、原因の究明を積極的に進めています。AMD と Nvidia が CES 2025 で新しいGPUラインナップの発表を控えている中、このタイミングは特に重要です。現時点では、Arc B580 は最新のシステムを使用するユーザーにとって魅力的な選択肢であり続けていますが、古いCPUを使用しているユーザーは Intel が解決策を提供するまで慎重な判断が必要でしょう。