プライバシー重視のテクノロジー企業 Proton は、AI 文章作成アシスタント Scribe の大幅な拡張を発表しました。これまでビジネスユーザーに限定されていた Scribe が、より幅広い Proton Mail 加入者に利用可能になり、さらに8つの言語をサポートするようになりました。
利用可能範囲の拡大
メールの下書き作成や改善を支援する Proton Scribe は、以下のユーザーが利用できるようになりました:
- Proton Family 加入者
- Proton Duo 加入者
- Proton Mail Business ユーザー(アドオンとして)
さらに、Proton Mail Plus および Unlimited 加入者は14日間の試用期間で Scribe を利用でき、その後も使用を継続するにはアップグレードが必要となります。
新しい言語サポート
Scribe は以下の言語でのメール作成をサポートするようになりました:
- フランス語
- ドイツ語
- スペイン語
- イタリア語
- ポルトガル語
- ロシア語
- 中国語
- 日本語
この拡張により、ユーザーは流暢に話せない言語でも、正確性とプライバシーを確保しながら自信を持ってメールを作成できるようになりました。
プライバシー重視のアプローチ
多くの AI 文章作成ツールとは異なり、Proton Scribe はユーザーのプライバシーを優先しています:
- 英語の場合、処理はユーザーのデバイス上でローカルに行われます
- 英語以外の言語は Proton の安全なサーバーで処理されます
- ユーザーデータは保持されず、第三者と共有されることもありません
- システムはユーザーの受信トレイデータを使って学習することはありません
Proton の機械学習部門責任者である Eamonn Maguire 氏は、このアプローチの重要性を強調し、「機密性の高い通信内容を第三者の AI ツールにコピーする代わりに、ユーザーはプライバシーを保護しながら直接受信トレイでこれらのサービスを利用できるようになりました」と述べています。
技術要件
ユーザーは以下の要件に注意する必要があります:
- 4GB の初期ダウンロードが必要
- 少なくとも 8GB の RAM を搭載した PC が必要
- 現在はウェブ版とデスクトップ版のみ(モバイルでは利用不可)
AI 文章作成アシスタントの人気が高まる中、Proton による Scribe の拡張は、Gmail の Help Me Write 機能のようなメインストリームのオプションに対するプライバシー重視の代替手段を提供することへのコミットメントを示しています。Proton は、強化された言語サポートと特徴的なデータ保護への注力を組み合わせることで、プライバシー重視の AI をさらに多くの人々にアクセス可能にすることを目指しています。