MicrosoftがCopilot Plus PC向けの物議を醸す「Recall」機能の導入を延期
Microsoftは、今後リリース予定のCopilot Plus PCプログラムに大きな変更を加え、物議を醸している「Recall」機能の導入を延期すると発表しました。この決定は、プライバシーとセキュリティへの懸念が高まる中で行われました。
主なポイント:
- 5秒ごとにスクリーンショットを撮影する「Recall」機能は、Copilot Plus PCの初期リリースには含まれません。
- Microsoftは、より広範な展開の前にWindows Insiderプログラムを通じてRecallをテストする予定です。
- Copilot Plus PCは予定通り6月18日に発売されますが、Recall機能は搭載されません。
Copilot Plus PCの背景
Copilot Plus PCは、高度なオンデバイスAI機能をサポートするように設計された新しいカテゴリのWindowsラップトップです。認定を受けるには、これらのマシンは以下の特定の基準を満たす必要があります:
- 最低16GBのRAM
- 256GB以上のオンボードストレージ
- 1秒あたり40兆回以上の演算(40+ TOPS)が可能な専用のニューラル処理ユニット(NPU)
当初、これらの要件を満たすのは、MicrosoftのSurface LaptopとSurface Proを含むQualcomm Snapdragon X Eliteベースのデバイスのみでした。
Recall機能の論争
Recallは、ユーザーが画面アクティビティのタイムラインを検索できる強力なAI駆動ツールとして意図されていました。しかし、この機能の常時オンの性質が、専門家やユーザーの間で大きなプライバシーの懸念を引き起こしました。
これに対応して、Microsoftは以前に3つの主要な更新を約束していました:
- Recallをオプトイン機能にする
- スクリーンショットデータベースの暗号化
- アクセスにWindows Hello認証を要求する
IntelとAMDへの影響
IntelとAMDは最近、Copilot Plus PCの基準を満たすか超えるチップを発表しましたが、これらのプロセッサを搭載したラップトップがいつCopilot Plus認証を受けるかは不明です。両社とも、独自のAI機能を提供し、さらに数百の機能を開発中だと述べています。
Microsoftのセキュリティ重視
Recallの延期決定は、Microsoftのブラッドスミスバイスチェアマン兼社長の最近の発言と一致しています。彼は、セキュリティが現在、AI開発よりも優先される最重要課題であると強調しました。この方針転換は、MicrosoftのSecure Future Initiative(SFI)の一環です。
今後の展開
MicrosoftはRecallのWindows Insidersへのリリースや、Copilot Plus PCへの最終的な搭載について具体的なタイムラインを提供していません。プレビューが利用可能になった時点で、アクセス方法の詳細をブログ記事で公開すると述べています。
現時点では、Copilot Plus PCに関心のある消費者は、初期リリースには約束されたAI機能の全範囲、特にRecall機能が含まれないことに注意する必要があります。技術の進化に伴い、Microsoftは今後もイノベーションとプライバシー・セキュリティの懸念のバランスを取り続けるでしょう。